放送とネットをさりげなく融合するTiVo 〜必要なサービスをソフトウェアだけで実現〜

インプレスAV Watch小寺信良のElectric Zooma!」より207年1月11日に投稿されたコラムより。

http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20070111/zooma289.htm

■ 使えるものを使うという発想
 これらの機能によって、映像コンテンツの視聴はテレビとPCそれぞれ別に見るのではなく、家に帰れば全部テレビの前だけで済むようになる。つまり入手経路に関係なく、全部ビデオコンテンツはテレビで見るプラットフォームとして、TiVoがあるという考え方である。

 そしてこれらの機能は、数年前から発売されているTiVo Series2という古いハードウェアでも使用可能だ。要するにハードは全然変わっておらず、ネットソリューションとソフトウェアアップデートだけでここまで展開してきたのである。そしてこれだけ遊ぶためには、ハイビジョンも必要ないし、ましてやデジタル放送も必須ではないという考え方が底辺にある。

 今テレビとネットの融合ということでは、テレビ用のネットワークサービスのような、「わざわざそれを作る」ような発想で動いている。だがTiVoとネットの関係のような、今ある枯れた技術で面白そうなことをすぐやるという、ある意味「任天堂Wii的」な発想は、日本でも検討の余地はある。

 日本人の立場でTiVoのサービスを考えてみると、こういった遊びや楽しみ、さらに言えばコンテンツ視聴機会促進を阻害しているのが、政府の執拗なデジタル化推進アナログ撤廃政策であり、放送局のコピーワンスに対する執着であるということになる。この後ろ向きな現実を、もう一度きちんと議論する必要はあるだろう。